1 個人再生と住宅資金特別条項
借金を整理しつつマイホームを残すというのが個人再生のメリットとして挙げられることが多いです。
しかし、一部には、個人再生でもマイホームを残すことができない場合もあります。
マイホームが残せない典型例として、住宅ローン以外のローンを担保するための抵当権が自宅に付されているケースがあります。
このような場合、多くは、住宅資金特別条項(住宅ローンのみは特別扱いで払っていく条件)を付した再生計画が認められません。
2 おまとめローンについて抵当権があるとき
たとえば、数社からの借り入れを一本化するためのおまとめローンについて、自宅に抵当権を付けていると、多くの場合、自宅を残した個人再生をすることができません。
しかしながら、住宅ローンを組む際に、他の借金を完済することを求められることは通常よくあります。
このようなローンを組んでいる場合について、一律に住宅資金特別条項を付すことが認められないと、マイホームを残して経済的再建を図ることを目的とした制度趣旨を没却することにもなりかねません。
そこで、住宅ローン債権者との間のおまとめローンであり、実際に他社の借金を返済し、その金額が僅少であること等が書面上明らかであれば、例外的に住宅資金特別条項を付すことが認められることがあります。
もっとも、相当例外的な対応を裁判所に求めることになるので、客観的な資料をもとに具体的に説明する必要があります。
ご自宅に住宅ローン以外のローンの抵当権が付いている方は、そのローンの具体的な使い道を明らかにしたうえで弁護士に相談することをお勧めします。