1 個人再生における原則~全債権者の平等~
個人再生では、全ての債権者を平等に扱うのが原則です(民事再生法229条1項、244条)。
したがって、基本的にすべての債権は同じ割合で減額され、同じタイミングで返済されることになります。
2 少額債権に関する例外
⑴ しかし、この原則を貫くと支障が出る場面が存在します。
たとえば、債権者がA社~F社の6社いて、それぞれの債権額がA社5万円、B社95万円、C社100万円、D100万円、E社100万円、F社100万円の場合を考えてみます(債権総額500万円)。
このとき、再生計画の内容が債務額の20%を3年かけて返済するというものとすると、A社に対しては1万円(5万円の20%)を3年かけて返済することになり、A社に対する1回の返済額が振込手数料さえ下回ることにもなりかねない事態が発生します。
⑵ そこで、個人再生では、「少額の再生債権の弁済の時期」について特別の定めをすることが認められています(民事再生法229条1項、244条)。
具体的には、少額債権のみ初回に一括払いする特別の条項をつけることが多いです。
3 いくらが「少額」か
このような特別の定めをすることができる少額債権の金額について、法律は定めておらず、具体的な運用は各地の裁判所に委ねられていないので、一概には言えません。
ただ通常、3万円未満なら少額債権と判断されると思われます。
気になるようでしたら、地元の弁護士に相談するのが良いでしょう。