任意整理を依頼する際の注意点

1 任意整理を依頼した業者のクレジットカードは使えない

任意整理を弁護士に依頼すると、依頼した業者のクレジットカードは利用できなくなります。

そのクレジットカードから生活費を引き落としていた場合、依頼後は引き落とされずに生活費を滞納してしまうことがあるので、電気代なら電気会社、電話代なら携帯電話会社、保険料なら生命保険会社等に連絡して、早めに預金口座引落し等に支払方法を変更すべきです。

 

2 信用情報の登録

任意整理を弁護士に依頼すると、それまで支払いを滞納したことが無かったとしても、事故情報として信用情報機関に登録されます。

その場合、新たにクレジットカードの作成や借入れができなくなることのほか、任意整理を依頼しなかった業者のクレジットカードも使えなくなることがあります。

カード会社は、カード更新の際や、カード契約中の一定の時期に途上審査のため、信用情報を確認することがあり、その時に、数年以内の任意整理の事実が発覚してクレジットカードの利用が停止されるおそれがあります。

 

3 銀行口座の凍結

銀行からの借入れがある場合、その銀行に対する債務を任意整理したり、その銀行からの借入れの保証会社に対する債務を任意整理したりすると、その銀行の預金口座が凍結されるおそれがあります。

凍結は通常3か月程度ですが、銀行口座が凍結されると、凍結時点の残高は引き出せなくなり、債務と相殺されます。

また、凍結されたのが給料口座のときは、収入源が絶たれてしまいます。

そのため、給料口座となっている銀行に対する債務を任意整理しようとする場合は、事前に勤務先と調整して、関係ない銀行口座へと給料口座を変更すべきです。

任意整理とクレジットカード

任意整理を弁護士に依頼しようか検討している方にとって,任意整理をしたら現在使用しているクレジットカードを引き続き使えるかが気になる点かと思われます。

使い続けようとしているクレジットカードが,任意整理の対象とした借入先の業者のクレジットカードか,任意整理の対象としていない借入先の業者のクレジットカードかによって異なります。

⑴ 任意整理の対象とした借入先の業者のクレジットカードの場合

任意整理の対象とした業者のクレジットカードの場合,そのクレジットカードを使い続けることはできないと考えた方がいいでしょう。

弁護士が任意整理の受任通知を業者に対して送付した段階で,クレジットカードの返還を求められることも多いです。

⑵ 任意整理の対象としなかった借入先の業者のクレジットカードの場合

任意整理の対象としなかった業者のクレジットカードの場合,支払いを遅延しない限りは,一定期間,引き続きクレジットカードを使用できる可能性があります。

もっとも,借入先のどこか1社でも任意整理をしたときは,その事実が信用情報機関に登録されるのが通常ですので,クレジットカード会社が与信審査をする際に信用情報機関に信用情報の照会をしたときには,任意整理した事実が発覚し,与信審査が通らず,それ以降クレジットカードを使い続けることができない可能性があります。

クレジットカード会社が行う与信審査は,クレジットカードの作成時のほか,クレジットカードの更新時の与信審査や途上与信があります。

途上与信とは,クレジットカードの利用中にクレジットカード会社が設定している基準に適合しているかの審査を行うことで,基準に達していなければ,基本的にはクレジットカードが利用停止になります。

任意整理についてはこちらもご覧ください。