非減免債権を有するときの返済計画

1 非減免債権とは

個人再生をしても減額がなされない債権が法律で定められています。

これを非減免債権といい、債務者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権や故意又は重過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権、扶養義務等に係る請求権(養育費等)がこれに該当します(民事再生法229条3項)。

非減免債権も再生債権なので、他の再生債権と同様、少なくとも弁護士に依頼した後に返済すると偏頗弁済に当たりますし、手続開始決定後は手続外での返済が禁止されます。

2 再生計画の内容

非減免債権のうち、無異議債権と評価済債権については、弁済期間中は再生計画で定められた一般的基準に従って弁済し、弁済期間満了時に弁済期間中の弁済額を控除した残額を一括して弁済します。

たとえば、非減免債権が300万円であり再生債権の80%が免除されるとの再生計画ですと、弁済期間中(3~5年)に60万円(=300万円×20%)を分割して弁済し、弁済期間満了時に残額の240万円を一括して弁済することになります。

上記以外の非減免債権については、弁済期間中は弁済せず、弁済期間満了時に全額を一括して弁済することになります。

宝くじはギャンブルか

破産するに当たってギャンブルは一切すべきでないことを認識しつつも、 宝くじはギャンブルと認識されていない方も散見されます。

しかし、宝くじの購入も破産法に定める賭博や浪費に該当する可能性があります。

競馬やパチンコと異なり、宝くじの購入にはまって借金を大きく膨らましてしまう方を聞くことは珍しいので、実際には「賭博…をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担した」(破産法252条1項4号)ということで免責不許可事由に該当するとまでは言えないことがほとんどかと思われます。

しかしながら、そのほかの事情によって免責不許可事由が存在する方が、弁護士に破産手続の依頼をした後においても宝くじの購入を続けていた場合、回数や金額によっては節制した生活を送るつもりのない人だと破産管財人や裁判所に判断されるおそれがあります。

ですので、破産をすると決めたとき以降は宝くじの購入は控えていただくべきです。

なお、仮に破産手続開始前に宝くじを購入し、破産手続開始後に宝くじが当選してお金が手元に入ってきたとしても、そのお金は「破産手続開始前に生じた原因に基づ」くものとして破産財団に含まれる可能性があります。