弁護士の田中浩登です。
本日は,「離婚事件」における未成年の子の親権についてお話させていただきます。
離婚することが決まったとしても,未成年の子がいる場合には,その子の親権者をどうするのかというのが大きな問題になることがあります。
親権とは,親が未成年の子を,健全な社会人にするために看護教育する権利及び義務のことであり,①子の身上を保護・監督し,子を教育して精神的発達を図る監護養育の権利義務(身上監護権)と②未成年の子が財産を有するときにその財産管理をし,その財産上の法律行為につき子を代理したり同意を与えたりする権利(財産管理権)を内容としています。
父母のうち,どちらを親権者にするかについて争いになった場合,家庭裁判所の審判例等においては以下の5点が考慮されます。
⑴ 監護の継続性
特別な事情がない限り,現実に子を養育監護している者を優先させるべきとする要素
⑵ 母親優先の基準
乳幼児については,特別な事情がない限り,母親の監護を優先させるべきとする要素
⑶ 子の意思の尊重
未成年の子自身の意思を慎重に確認し,判断するべきとする要素
⑷ 兄弟姉妹の不分離の原則
可能な限り,兄弟姉妹の関係を切ることがないようにするべきとする要素
⑸ 離婚に際しての有責性
離婚に際して,有責である配偶者は親権者としても不適当であるのではないかとする要素
いずれにしても,子の親権に関する判断は,将来性を見据えた上で,様々な要素が考慮される非常に難しいものとなります。
子の親権についてご不安な方は,弁護士にご相談ください。