起訴されると有罪となることが多いのですか?
1 起訴された場合の有罪の件数
令和2年度の司法統計によると、起訴された総数6万5560件のうち、有罪になったものは4万5686件、無罪になったものは71件で、残りは、公訴棄却や同一被告人に関する事件の併合等です。
参考リンク:司法統計・刑事訴訟事件の種類及び終局区分別既済人員-地方裁判所
このように、起訴されると有罪になることが多く、無罪判決が出るのは稀といえます。
以下、逮捕から起訴まで、どのような流れで進み、起訴・不起訴の判断がされるのかを解説します。
2 逮捕後の流れ
警察に逮捕されると、逮捕より48時間以内に検察に送致され、勾留する必要があると検察官に判断された場合には、検察に送致されてから24時間以内に勾留請求がなされます。
勾留請求がなされ裁判官による勾留決定がなされると勾留請求の日より原則10日間身柄を拘束されることになり、勾留延長がなされるとさらに10日間身柄が拘束されることになります。
検察官は、これらの期間内に捜査等をし、被疑者を起訴するか不起訴にするかといった処分を決めます。
検察官が、不起訴が相当であると判断した場合には、その時点で身柄が解放されることになります。
そして、起訴が相当であると判断された場合には、公判手続きにより被告人が犯人であるかなどが判断されることになります。
3 起訴について
検察官が裁判所に訴訟を提起することを「起訴」といいます。
起訴するか否かを決定する権限は原則として検察官のみが有しています。
検察官に起訴されると、捜査段階から公判段階に移り、被告人という立場で刑事裁判を受けることになります。
公訴棄却などの例外的な場合を除き、最終的には、有罪あるいは無罪の判決が出されます。
冒頭の記載のとおり、日本においては、起訴されると多くのケースで有罪となっています。
弁護活動としては、まず、不起訴に向けた活動をしていくことが重要になります。
4 不起訴について
不起訴とは、検察官が裁判所の審判を求める必要がないと判断し、起訴をしないことをいいます。
不起訴には、「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」の3種類があります。
「嫌疑なし」とは、検察官が被疑者は罪を犯していないと判断したことを意味します。
「嫌疑不十分」とは、検察官が、被疑者が罪を犯していないとは判断しきれないが、証拠が不十分等で、裁判において有罪の立証をすることが困難であると判断したことを意味します。
「起訴猶予」とは、裁判において有罪の立証をすることが可能な場合であっても、被疑者の境遇や犯罪の軽重、被害者の感情、被害弁償の有無、示談の有無等を考慮して、検察官の裁量によって不起訴としたことを意味します。
5 最後に
突然逮捕されるとその後どうなるのか不安に思われている方も多いと思います。
刑事弁護は、起訴される前の弁護活動が重要となることが多いですので、不安に思われている方は一度弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士法人心では、名古屋の刑事事件も多く扱っていますので、お気軽にご相談ください。
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