後遺障害申請と症状固定に関するQ&A
症状固定とは何ですか?
症状固定とは、これ以上治療しても改善が見込めない状態のことを指します。
どれくらいの期間、治療をすると症状固定となるのですか?
負傷の内容や年齢、事故の状況などにより、ケースバイケースです。
〇か月、〇年で症状固定、と一律に言うことはできません。
大まかな目安としては、例えば交通事故の負傷内容で非常に多いむちうちなどでは、半年以上治療しても症状が残ってしまえば、症状固定となったと判断されることが多いです。
また、脳に外傷を受け、高次脳機能障害が残った場合には、1年~2年、場合によってはそれ以上の治療期間を経て症状固定と判断されることもあります。
後遺障害とはどのような概念ですか?
後遺障害は、交通事故に遭い治療を続けてきたにも関わらず、症状が残ってしまった場合に、その後遺障害の内容に応じて自賠責保険で等級が定められており、いずれかの等級に該当すると認定されれば、認定された等級に応じた賠償金が支払われるというものです。
後遺障害という概念はなぜ設けられているのですか?
後遺障害が残ってしまったら、被害者は生涯にわたりその後遺障害と付き合っていかなければならず、その精神的苦痛は賠償されなければ被害者の救済にならないことや、症状固定以降の治療費の支払いは加害者側は基本的に負わないためその手当てが必要であること、後遺障害の内容によっては労働能力が低下し将来の収入の減少が考えられるためその手当ても必要であること等の理由から設けられています。
後遺障害の申請は誰が手続きをとるのですか?
加害者請求と被害者請求があります。
加害者側(ほとんどの場合加害者側保険会社)が行う場合を加害者請求(事前認定)といいます。
事前認定で行う場合には、医師に書いてもらった後遺障害診断書を加害者側保険会社に渡せば、加害者側保険会社がその他の必要書類を集めて自賠責保険会社に提出してくれます。
他方、後遺障害の申請手続を被害者が行う場合を被害者請求と言います。
後遺障害申請を被害者請求で行う場合には、後遺障害診断書のほかに、様々な必要な書類を自分で集め、後遺障害診断書とともに自賠責保険会社に提出する必要があります。
手間がかかりますが、弁護士に依頼して被害者請求をしてもらうことで、この手間は回避できます。
かつ、被害者側で書類を収集、提出することができるので、必要書類以外の書類でも何か認定に役に立ちそうな資料や検査結果等があれば、提出することができます。
後遺障害認定は、原則として書面審査ですので、認定に有利に働く書類等は積極的に集めて提出する必要があり、手足を失った等の誰が判断しても結論が変わらないようなケースであれば事前認定でも被害者請求でもどちらを選んでも良いかもしれませんが、判断が分かれそうなケースあれば、弁護士に依頼した上で被害者請求を選ぶのが正解でしょう。
後遺障害が認定されない場合はどうしたらいいですか? 高次脳機能障害で受け取れる損害賠償額は、後遺障害等級によってどの程度異なるのですか?