養育費の金額はどのように決まりますか?
1 養育費の協議
離婚する夫婦に未成年の子がいる場合、子の親権者を夫婦のいずれとするのかを決めなければいけません(民法819条1項)。
また、子の監護について必要な事項も定めることとされていますので(民法766条1項)、養育費についても協議することになります。
養育費は、実際に子を育てる親(監護親)が権利者として、義務者である他方の親に請求しますが、その金額について法律上の制限はなく、当事者の協議で自由に決めて構いません。
しかし、養育費を巡る協議は難航することもあります。
当事者間の協議が整わない場合、調停等で金額を決めることになりますが、その場合にはどのように決めているのでしょうか。
2 養育費の基本的な決め方
養育費については、子が義務者と同居していると仮定した場合に子のために費消されていた生活費を計算し、これを義務者と権利者の基礎収入の割合で案分するのが基本的な考え方です。
計算にあたっては、それぞれの総収入から公訴公課、職業費及び特別経費を控除した上で基礎収入を算出したり、基礎収入に生活費指数をかけたりして、養育費の額を出します。
しかし、複雑な計算となるため、実務上は「算定表」といわれる表が使用されています。
この算定表を使用すると、それぞれの年収がわかれば簡単に養育費の額が出せます。
ただ、算定表では義務者の年収の上限は2000万円(自営業者の場合は1409万円)、権利者の年収の上限は1000万円(自営業者の場合は710万円)とされていますし、子が3人までのケースしか想定していないため、年収が上限額を超える場合や子が4人以上の場合には算定表では養育費の額を出すことはできません。
そういった場合には算定表にのみ基づいて計算するのではなく、原則に立ち返って細かな計算をしていくことになります。
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