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交通事故と障害年金に関するQ&A

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2022年3月7日

障害年金とは何ですか?

病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に受け取ることができる年金です。

障害年金とは、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に受け取ることができる年金です。

障害年金には、障害基礎年金(国民年金)と障害厚生年金(厚生年金)の2種類があります。

障害年金は、要件を満たせば、現役世代の方であっても受給することができます。

障害年金を受給する要件は何ですか?

①初診日、②障害の状態、③保険料の納付要件の3要件を満たす必要があります。

1 初診日要件

「疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師または歯科医の診察を受けた日」のことを「初診日」といいます(国民年金法30条1項、厚生年金保険法47条1項)。

①初診日において国民年金に加入していたか、②国民年金に加入していた者であって、日本国内に住所を有し、かつ、初診日において60歳以上65歳未満であった場合は、障害基礎年金を申請することができます(国民年金法30条1項)。

また、初診日において厚生年金に加入していた者は、障害厚生年金を申請することができます(厚生年金保険法47条1項)。

上記のとおり、障害年金を受給するためには、初診日の時点で国民年金または厚生年金に加入しているか、60歳より前に国民年金に加入していたことが必要となります。

ただし、例外として、初診日において20歳以下であった者は、国民年金及び厚生年金に加入していなかったとしても、障害基礎年金を申請することができます(国民年金法30条の4)。

2 障害の程度要件

障害年金を受給するためには、障害の程度を認定する日(障害認定日)に、障害等級に該当する程度の状態にあることが必要となります。

障害認定の基準は、国民年金法施行令別表及び厚生年金保険法施行令別第1及び同第2に規定されています。

障害基礎年金は、障害等級が1級及び2級しかないのに対し、障害厚生年金は、1級及び2級に加えて3級の障害が存在しているほか、障害厚生年金には該当する症状よりも軽い障害が残った場合に、障害手当金という一時金を受給できる場合があります。

3 納付要件

障害年金を受給するためには、原則として、①初診日のある月の前々月までに、年金加入期間の3分の2以上の期間について保険料が納付または免除されていること、または、②初診日のある月の前々月まで直近の1年間に保険料の未納がないこと、が必要となります。

初診日が20歳前である場合には、保険料の納付は必要ありません。

交通事故を原因とする障害でも、障害年金は受給できますか?

要件を満たせば受給することができますが、損益相殺または併給調整の対象となります。

国民年金法22条2項及び厚生年金法40条2項は、第三者行為による障害に起因して障害年金を給付した場合の代位を定めています。

このため、交通事故に起因する障害により受給した障害年金は、交通事故による損害賠償請求権との損益相殺の対象となります。

ただし、損益相殺の対象となるのは、訴訟の口頭弁論終結時までに現実に支払われた金額または支払いを受けることが確定している金額に限られます(最判平成5年3月24日参照)。

また、障害年金は、障害を負った者の逸失利益を補填する性質のものであるため、損益相殺の対象は逸失利益に限定されます。

このため、障害年金の給付を受けていることを理由に、逸失利益の範囲を超えて、慰謝料等を控除の対象とすることはできません。

交通事故の被害者が、障害年金より先に損害賠償の支払いを受けている場合には、事故日の翌月から起算して最長で3年間、障害年金の支給が停止される可能性があります(「厚生年金保険法及び国民年金法に基づく給付と損害賠償額との調整の取扱いについて」(平成27年9月30日年管管発0930第6号)より。)

ただし、調整の対象となるのは、損害賠償総額から慰謝料、葬祭料、医療費、緊急経費及び雑損失を差し引いた生活補償費相当額に限られます。

以上述べた通り、交通事故により後遺障害が残った方は、障害年金の支給を受けられる可能性があります。

当法人は、交通事故と障害年金のどちらについても内部勉強会を行っており、ノウハウを蓄積しています。

交通事故でお悩みの方は、是非、一度ご相談ください。

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