相続放棄をしても賃貸物件に住み続けることはできますか?
1 基本的に住み続けることはできない
相続放棄をする場合、賃貸物件に住み続けることができなくなります。
理由として、賃貸物件に住み続けていると、自分が相続人であることを認めているに等しいと考えられるからです。
そのため、相続放棄をされた場合は、できるだけ早めに賃貸物件から引っ越す必要があります。
2 例外的に住み続ける方法
もっとも、例外的に賃貸物件に住み続けられる方法があります。
その方法は、大家さん(賃貸人)と交渉し、相続放棄をした相続人又はその家族が新たに借主(賃借人)として、賃貸物件の賃貸契約をするという方法です。
大家さん次第では、交渉に応じてくれる方もいるため、賃貸物件に住み続けたいとお考えの方は、一度、大家さんとお話された方が良いかと思います。
なお、大家さんから、亡くなった方(「被相続人」といいます。)との従前の賃貸借契約を解除してほしいと相談されることがあります。
この場合、大家さんの求めに応じて、従前の賃貸借契約を合意解除してしまうと、相続放棄ができなくなる可能性がありますので注意が必要です。
この場合だと、大家さんの方で、一方的に契約を解除してもらった方が、相続放棄が無効になるリスクを減らすことができます。
3 相続放棄の落とし穴
このように相続放棄では、基本的に被相続人が借りていた賃貸物件にそのまま住み続けてしまうと、相続放棄が無効になるリスクがあります。
また、相続放棄は、3か月以内に手続きをしなければならず、他にも、被相続人の預貯金を解約してしまったり、車を処分してしまったりすると、相続放棄ができなくなる可能性もあります。
さらに、ネットの情報の中には、弁護士などの資格者ではない方が相続放棄に関する誤った記事を掲載している場合や、誤解を生むような記事を書いている方がいるため、情報を正しく認識する必要があります。
そのため、相続放棄でお困りの際は、無料相談を実施している事務所もございますので、一度、しっかりした弁護士にご相談されることをおすすめします。
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