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遺言を書くときに注意すべきことはありますか?

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2022年4月12日

1 法的に有効となる遺言を作成することが重要

自分が死んだ後のことを考えるときがあると思います。

例えば、息子2人のうち、名古屋の実家に残って自分の面倒を見ながら家業を継いでくれる長男に対しては、名古屋の土地を相続させたいと考えることもあるでしょう。

このようなとき、多くの人が遺言を書こうと考えるかと思います。

しかし、遺言の書き方にはルールがあり、それに従って書かれていないとせっかく書いた遺言が無効となってしまうケースもあります。

遺言には、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言という3種類あります。

秘密証書遺言と公正証書遺言については、公証人役場で作成するので、公証人の助言通りに作成すれば、効力に問題のある遺言が作成される可能性は低いです。

自筆証書遺言については、自分一人で作成できる手軽さがある反面、法律上決められた要件を備えないと、遺言の効力が認められず、無効となってしまう可能性が高くなります。

2 自筆証書遺言を作成する際の注意点

以下では、自筆証書遺言を作成する際の注意点について説明します。

⑴ 自筆で書く

自筆証書遺言は、遺言者が遺言の内容の全文、日付、氏名を自筆で書き、これに押印することによって作成します。

遺言の内容の全文、日付、氏名を自書することが必要ですので、ワープロや代筆はできません。

ただし、近年の法改正により、財産目録については自筆でなくともよいことになっています。

自筆でない場合には、そのページごとに署名押印をする必要があります。

参考リンク:法務省・自筆証書遺言に関するルールが変わります。

⑵ 日付

自筆証書遺言においては、日付の記載であっても軽視できないです。

日付を自書することが求められている理由は、遺言の作成時期を明らかにして、遺言する能力があったか否かを明確にすることと、2通以上の矛盾する内容の遺言が発見されたときに、どちらが後から作成された遺言であるかを明確にするためです。

⑶ 印鑑

押捺する印鑑は、実印でも認印でも、遺言者が自分の印として押捺すれば有効になります。

なお、拇印が押された遺言を有効とした裁判例も存在しますが、拇印を用いることは避けたほうが無難でしょう。

⑷ 訂正するとき

最後に、加除訂正についての注意点を述べます。

変更した場所に印を押し、その場所を指示して変更したことを付記し、付記した後に署名しなければなりません。

3 遺言の作成なら弁護士にご相談ください

自筆証書遺言は、公証人役場で作成しなくてもよいという手軽さの反面、無効にならないように上記の点について注意しなければなりません。

後々問題が起こらないようにするためには、弁護士関与のもとで遺言を作成するのがよいかと思います。

弁護士法人心では、遺言に関するご相談を承っておりますので、名古屋近郊にお住まいの方は弁護士法人心 名古屋法律事務所にご相談ください。

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