過払い金返還請求を弁護士に依頼するメリット
1 過払い金とは
利息制限法に定める利息の利率を超える場合、その超過部分は無効となります。
この超過部分は、払い過ぎた利息ということで、過払い金といわれます。
2 過払い金が発生する仕組み
かつて、出資法が利息制限法を超える上限金利を設定し、当時の貸金業者は、利息制限法が定める上限金利と出資法が定める上限金利の間の利率(これをグレーゾーン金利といいます)を設定して貸付を行っていました。
しかし、平成18年に、グレーゾーン金利を事実上認めない最高裁判所の判決が下り、平成22年6月18日に、出資法の上限金利が利息制限法の水準の20%に引き下げられたことで、グレーゾーン金利は廃止となりました。
そのため、グレーゾーン金利による貸付に対する返済は、利息制限法を超過する過払い金が存在するとして、過払い金請求の訴訟が多く提起されることになりました。
過払い金返還請求のメリットは当然、払い過ぎたお金が、手元に戻ってくることにあります。
3 過払い金返還請求を弁護士に依頼するメリット
過払い金返還請求は、弁護士だけでなく、司法書士も行うことができます。
司法書士には、140万円以下の民事訴訟の和解、交渉、訴訟代理権が認められているためです。
そのため、弁護士と司法書士のどちらに依頼すべきか迷っているという方もいらっしゃるかと思います。
以下では、どのような違いがあるのかをご説明させていただきます。
⑴ 司法書士には制限がある
過払い金が140万円を超える場合、司法書士は、交渉権や訴訟代理権を失うことになります。
借入金額や借入期間の関係で、過払い金は、依頼者が思っているよりも高額になることも多いのです。
司法書士に依頼していたところ、過払い金が140万円を超過していたことが明らかとなった場合、どのようなことが起こるのでしょうか。
まず、貸金業者を相手とする裁判は、地方裁判所へ訴えを提起する必要がありますが、司法書士には地方裁判所での代理権は認められていません。
この場合、依頼者本人が地方裁判所に出廷するか、そうでなければ、地方裁判所での代理権を認められている弁護士に依頼しなおす必要が出てきます。
⑵ 代理権の範囲が限られてしまう
また、司法書士の代理権が認められる簡易裁判所での判決を不服とし、貸金業者側が控訴してきた場合、金額にかかわらず、裁判は地方裁判所の管轄となるため、司法書士では代理権がないことになってしまいます。
このように、司法書士だと代理権の範囲が限られてしまうため、過払い金の回収には、最初から弁護士に依頼した方がよいといえます。
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