名古屋で『後遺障害』で弁護士をお探しの方へ

弁護士法人心 <span>名古屋法律事務所</span>

後遺症・後遺障害についての弁護士へのご相談

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2024年2月6日

1 後遺障害は弁護士にご相談を

交通事故に遭うと、ケガの程度によってはお身体に後遺症が残ってしまうことがあります。

後遺症が残ってしまった場合、後遺障害等級申請で適切な等級が認定されるかどうかによって、受けられる損害賠償額が大きく変わります

適切な賠償を受けるためにも、弁護士にご相談ください。

当法人には、後遺障害等級申請を得意とする弁護士のチームがあります。

事務所は名古屋駅の近くにあり、弁護士へのご相談のためにお越しいただきやすい立地となっています。

2 後遺障害申請のご相談も承ります

治療状況や検査内容、カルテや診断書の記載等によって、後遺障害の等級数が変わってきます。

適切な等級認定を受けるためには、適切な資料を集め、内容を精査した上で後遺障害申請の手続きを行うことが大切です。

後遺障害に詳しい弁護士が対応させていただきますので、一度ご相談ください。

3 妥当な等級数を診断するサービスもあります

後遺障害無料診断サービスは、妥当な後遺障害等級を無料で予測するサービスです。

後遺障害の等級数は、損害賠償金額に大きく関わってくる部分となります。

曖昧な知識のまま対応してしまい後悔することのないように、不安や疑問がありましたら、まずは一度当法人の弁護士にご相談ください。

4 後遺障害のご相談には弁護士費用特約が利用できます

弁護士費用特約をご利用いただきますと、弁護士費用を保険会社から支払ってもらうことができるため、費用のご負担を不安に思うことなく弁護士に相談・依頼することができます。

また、弁護士費用特約が無い場合であっても、後遺障害のご相談は原則無料で承っております。

気軽に相談できる環境を整えておりますので、後遺障害でお困りの方は、当法人にご相談ください。

詳細につきましては、以下のサイトをご覧ください(以下のボタンをクリック)。

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弁護士による後遺障害等級申請のサポート

当法人には後遺障害等級申請を集中的に行っているチームがあります。申請がスムーズ、かつ、適切に進むよう弁護士がサポートさせていただきます。

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後遺症でお悩みの方はご連絡ください

後遺症が残ってしまわれた方はもちろん、「後遺症が残るかもしれない」という方についても、お気軽にご連絡ください。スタッフがご予約をお取りします。

ご相談について

名古屋駅の近くに事務所がありますし、後遺障害について電話で相談していただくこともできます。お仕事や病院への通院等でお忙しい場合でも、気軽に弁護士にご相談いただけます。

重い後遺障害が残ってしまった場合の将来介護費

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2021年2月15日

1 将来介護費用算定が難しい理由

交通事故によって、介護が必要なほど重篤な後遺障害が残ってしまった方については、「将来介護費」が賠償の対象となることがあります。

もっとも、「将来介護費」は、その名のとおり、未だ到来していない「将来」において支出を余儀なくされるであろう費用ですので、その算定は容易ではありません。

2 将来介護費を算定する際のチェックポイント

一口に「介護」といっても、どのような介護をいつまで行う必要があるのか等は、被害者の方ごとに異なります。

そこで、「将来介護費」の算定においては、当該被害者の方における「介護の必要性」、「介護の態様」、「介護の期間」等の要素が考慮されています。

⑴ 介護の必要性

当然のことではありますが、将来介護費は、交通事故被害者の方が介護を要するような状態に至っていなくては支払われません。

被害者の方に介護の必要性が認められるか否かは、被害者の方の後遺障害の内容や程度、後遺障害を原因とする日常生活動作の制限の内容や程度等を考慮して判断されます。

⑵ 介護の態様

介護の態様に関しては、「介護の主体」について、近親者であるか、職業付添人であるか、「介護の場所」について、在宅であるか、介護施設であるか、といった点が将来介護費の算定において重要となります。

⑶ 介護の期間

原則として、被害者の方が存命の内は将来介護費の支出が必要となりますので、被害者の方の平均余命を介護が必要な期間であるとして、将来介護費が算定されるのが一般的です。

3 将来介護費は弁護士にご相談を!

将来介護費は、金額が大きくなることが大きくなることが多い上に、算定に困難が伴うことも多くあります。

そのため、加害者側から提示された金額を鵜呑みにした場合、算定方法が適切ではないこと等の原因により、大きな損をしてしまう可能性があります。

このような事態を避けるためにも、将来介護費が賠償の対象となり得る案件においては、交通事故に詳しい弁護士に相談をすることをおすすめいたします。

後遺障害の被害者請求に必要な書類

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2021年2月3日

1 後遺障害申請を被害者請求でする場合に必要となる書類

被害者ご本人が自分で後遺障害申請を使用とする場合には、どのような書類を集めて提出する必要があるのでしょうか。

被害者ご本人が、後遺障害申請をする場合には、少なくとも以下の書類を提出する必要があります。

  1. ①交通事故証明書
  2. ②自賠責保険金(損害賠償額・仮渡金)支払請求書兼支払指図書
  3. ③事故発生報告書
  4. ④診断書
  5. ⑤診療報酬明細書
  6. ⑥自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書
  7. ⑦印鑑登録証明書(未成年の場合で親権者が請求する場合は住民票や戸籍抄本)

これらの書類の他にも、接骨院に通院していれば施術明細が必要になりますし、代理人が申請する場合には委任状や代理人の印鑑証明書などが必要になります。

また、病院で撮ったレントゲンやMRIなどの画像、ご本人の陳述書、車両の修理費用の明細や写真などを資料として一緒に出しても大丈夫です。

2 書類の取得方法

⑴保険会社が対応している場合

それでは、必要な書類はどのように取得すればよいのでしょうか。

加害者が、任意保険会社に加入していて治療費を負担している場合には、通常、必要書類の大半は保険会社が持っているますので、保険会社にいって写しを取り寄せます。

ご自身の保険会社を使って治療をしている場合には、ご自身の保険会社が持っていることが大半ですので、ご自身の保険会社に確認してみましょう。

②自賠責保険金(損害賠償額・仮渡金)支払請求書兼支払指図書の用紙や、③事故発生報告書の用紙は、加害者が加入していた自賠責保険会社から申請書類を取り寄せれば、用紙が入っていますので、ご本人が記入をします。

⑵保険会社が対応していないような場合

①交通事故証明書は、自動車安全運転センターが発行しています。

警察署等で交通事故証明書申込用紙をもらってゆうちょ銀行や郵便局で手数料を支払って郵送で発行してもらったり、自動車安全運転センターの窓口で申込みをして直接発行してもらったり、ホームページで申し込んだ後に手数料の振り込みをして発行してもらうことができます。

申し込みの際には、事故の日時や場所、当事者を記載する必要がありますので、交通事故を取り扱った警察署できちんと情報を確認しておいてください。

交通事故証明書には、加害者の加入していた自賠責保険の情報が記載されています。

加害者の加入していた自賠責保険会社から、自賠責保険の申請のための必要書類を取り寄せることができます。

取り寄せた書類の中に、②自賠責保険金(損害賠償額・仮渡金)支払請求書兼支払指図書の用紙や、③事故発生報告書の用紙がありますので、記載事項を記入します。

ご自身で治療費を立て替えて治療をしているような場合には、④医師の診断書や⑤診療報酬明細書は、自賠責保険会社から取り寄せた用紙を病院に持っていき、作成してもらう必要があります。

⑶ 保険会社対応にかかわらず必要となる書類等

⑥後遺障害診断書は、症状固定後に、医師に後遺障害診断書の用紙を持っていき、記入してもらいます。

用紙は自賠責保険や任意保険会社などの保険会社からもらうことができます。

画像等をつける場合は、通院していた病院でもらうことができます。

貸出の場合もありますし、記録媒体にコピーしたものを買い取る場合もありますので、通院した病院にご相談ください。

⑦印鑑登録証明書(未成年の場合で親権者が請求する場合は住民票や戸籍抄本)は、居住する地域の役所で登録や発行しています。

また、②自賠責保険金(損害賠償額・仮渡金)支払請求書兼支払指図書には、本人確認の意味もあって実印で押印して、印鑑証明書を添付する必要があります。

3 後遺障害申請は弁護士にお任せください

以上のように、後遺障害申請のために書類を揃えるのは非常に手間がかかります。

名古屋で後遺障害申請の被害者請求を考えている方は、弁護士法人心にご依頼ください。

弁護士が、被害者の後遺障害申請をサポートします。

お子様の後遺障害申請をする際に気を付けるべき点

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2021年1月27日

1 お子様の後遺障害申請

お子様が交通事故に遭ってしまい、事故の後も痛みが残ったり、傷が治らなかったりしてつらい思いをしているのを側で見て、心を痛めていらっしゃるご家族の方は多いかと思います。

そのような場合、せめて適切な後遺障害認定及び賠償を請求したいと弁護士へご相談いただくことは多いのですが、中には弁護士からすれば「もっと早くご相談いただいていれば結果は変わったかもしれない。」と思うケースも少なからずあります。

そのような事態にならないために、ここではお子様の後遺障害申請をする際に気を付けるべき点についてお話しします。

2 保険会社の事前認定に注意

後遺障害申請の方法としては、保険会社による事前認定と被害者請求の方法があります。

事前認定とは、相手方保険会社の方で申請書類を整えて、自賠責保険に対して後遺障害申請を行う方法であり、通常、その申請資料を被害者が見ることはありません。

この方法のメリットは、相手方保険会社がすべて代わりに手続きをしてくれるので、被害者は資料の収集や申請書類の作成という面倒な手続きから解放されるという点です。

しかし、保険会社がどのような資料を提出しているのかは不透明ですし、場合によっては被害者にとって有利となる資料を出さなかったり、反対に不利となる資料を殊更に強調して出したりといったことがなされることもあり、適切な認定がなされないおそれがあるという点がこの方法のデメリットと言えます。

これに対して、被害者請求は、資料集めや申請書類の用意、申請手続き等はご自身でする必要がありますが、後遺障害申請についての資料を自ら選定して提出することができるため、後遺障害認定において有利な判断がされやすいという特徴があります。

申請前に弁護士にご相談いただければ、お子様のケースでどのような資料を出せばより適切な認定がされるか検討したうえで、代理人として被害者請求の手続きをさせていただくことができます。

お子様の症状につき適切な認定をと思われる方は、手続きを相手方保険会社に任せるのではなく、弁護士ご相談されることをおすすめいたします。

3 痛みがあるうちは通院を

通院を続けていると、あるタイミングで保険会社から「今月で治療を終了してください。」といった連絡を受けることがあります。

特に、「子どもは体が柔らかく回復力も高いので、怪我をしてもすぐ治る。」という一般論を強く信じている保険会社担当者は多く、それをもとに子どもの治療がそんなに長い期間かかるはずがないと早めに治療費支払いを打ち切ってくるケースは多いようです。

多くの方は、保険会社担当者にそう言われたら治療を止めなければならないのかと思い、治療費の支払いを打ち切られたタイミングで症状が残っていても通院をやめてしまわれることが多いのですが、後遺障害の認定を受けるにあたってはそれが不利な事情として判断されてしまうことがあります。

すなわち、治療費の支払い打ち切りまではしっかり通院していたにもかかわらず、治療費の支払いが打ち切られた途端に通院をやめたとなると、最後に通院をした日から後は症状がなくなったから通院しなくなったのであろうと推測されてしまう危険があるのです。

治療費が打ち切られた後は、被害者としては一度窓口でお金を負担して治療を受けなければならないので、金銭面で不安を感じることと思いますが、適切な後遺障害認定を受けるため、痛みが残っているうちは医師の指示に従って通院を続けられた方が良いでしょう。

後遺障害診断書作成時の注意点

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2021年1月25日

1 後遺障害診断書の重要性

後遺障害申請手続で提出する書類のうち、最も重要なものが後遺障害診断書です。

自賠責保険では書面審査であるため、直接面談して症状や日常生活への支障などを訴える機会はなく、申請書類で示していかなければなりません。

したがって、後遺障害の認定上、被害者の症状や検査結果などが記載された後遺障害診断書が果たす役割は極めて大きいといえます。

2 後遺障害診断書の内容

後遺障害診断書は、大きく、①患者の個人情報、②受傷日・入通院期間、症状固定日、③傷病名、④自覚症状、⑤他覚所見、⑥各障害における検査結果、⑦増悪・緩解の見通し欄などがあります。

適正な後遺障害の認定を獲得するためには、これらの項目に必要な情報がしっかりと記載され、審査する側が適切な判断ができるようにしておかなければなりません。

3 作成上の注意点

⑴ 傷病名と自覚症状欄との整合性

まずは、傷病名と自覚症状欄が整合していることです。

例えば、頸椎捻挫、腰椎捻挫の傷病名が記載されているにもかかわらず、自覚症状の欄に「頚部痛」しか記載されていなければ、症状固定時において腰椎捻挫による腰痛等の症状はないものと評価されます。

実際に症状がないのであれば問題ありませんが、症状が残っているにもかかわらず、記載されていないこともありますので、その場合には、医師に追記してもらう必要があります。

⑵ 自覚症状について誤解されていないこと

自覚症状が不正確であると、当然ながら適切な認定はなされません。

例えば、日常的に頚部痛があるにもかかわらず、「雨が降るときに痛む」などと記載がされると、いわゆる常時痛ではないと誤解され、等級認定上、不利に判断されることがあります。

誤解されることを防止するため、事前に自覚症状を記載したメモを医師に渡すという方法もあります。

仮に、事実と異なる記載がなされた場合には、医師に訂正を求める必要がありますが、必ずしも訂正に応じてくれるわけではないため、後遺障害診断書の作成前にしっかり症状を伝えておくべきでしょう。

⑶ 症状固定と増悪・緩解の見通し

後遺障害は、将来的に回復が見込まれない障害であるため、緩解の見通しがあるとされれば、後遺障害に該当しないことになります。

医師により症状固定の診断がなされた以上、それと整合する記載がなされているか注意する必要があります。

4 弁護士にご相談を

適切な後遺障害等級認定のためには、後遺障害診断書だけでなく、その他にも様々な注意点がありますので、後遺障害の申請をする際には、弁護士にご相談ください。

当法人には、後遺障害に詳しい弁護士が多数おり、適切な等級認定に向けてしっかり対応いたしますので、お気軽にご連絡ください。

後遺障害認定申請の結果に納得できないとき

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2021年1月20日

1 異議申立

被害者が、後遺障害を申請した結果、「非該当」とされて等級が認められなかったり、認められた等級が低かったりして納得できないときには、異議申立をすることができます。

異議申立は、後遺障害認定申請の結果に納得できないときに、再度審査をして欲しい場合に行う手続で、自賠責保険会社を通じて損害保険料率算出機構に再度の審査を申し立てます。

異議申立をした結果、等級が認定されたり、認定されていた等級よりも上の等級が認められたりすることもあります。

ただ、異議申立をしても、自分の納得できる等級を認めてもらうことは容易ではありません。

後遺障害認定をしたのも異議申立の審査をするのも損害保険料率算出機構です。

当初認定された結果を覆す必要がありますので、申請する際に新しい証拠を揃えて提出するなど、労力や手間、時間をかけてきちんと反論をしないと、結果は変わりません。

後から証拠を集めて異議申立をするより、後遺障害申請をする際には相手方保険会社に任せずに、きちんと被害者請求でしっかりと証拠をつけて申請することが大切です。

2 異議申立の際に行う準備

相手方保険会社が後遺障害認定申請をした際に最低限の書類しか提出していないのであれば、きちんと検査結果を提出したり、後遺障害診断書を加筆してもらったりして提出することで、適正な等級が認められる場合もあります。

しかし、通常は、新たな証拠を提出しないと、結果は変わらないことが大半です。

主治医にお願いして新たに診断や検査を受けたり、医師に詳細な意見書を作成してもらったりすることで症状などの裏付けをとったり、セカンドオピニオンや画像鑑定を受けることで主治医の見解の補足をしたりすることもあります。

弁護士に依頼することで、異議申立に必要かつ最適な方法で後遺障害異議申立の準備を行い、異議申立をしていくことができます。

3 再度の異議申立

異議申立の結果に不服がある場合には、再度の異議申立をすることができます。

異議申立自体は何度でも行うことができますが、新たに証拠を追加しないと、何度異議申立をしても結果が変わらない可能性が高いです。

何度も異議申立をしているうちに、加害者に対する請求が時効になる危険もありますので、新たな証拠がない場合には、別の手続をするかどうかも検討することになります。

4 自賠責保険・共済紛争処理機構への申立

紛争処理機構は、損害保険料率算出機構の判断した後遺障害等級認定の結果が妥当であったかを審査することができます。

自賠責保険・共済紛争処理機構という損害保険料率算出機構とは別の機関が、審査をします。

ただし、紛争処理機構は1度しか利用できず、結果に対する異議申立はできません。

5 裁判手続

異議申立や紛争処理機構を利用しても結果に納得できない場合には、最終的には裁判で結果を争うことができます。

勿論、異議申立や紛争処理機構を利用せず、最初から裁判で争うことも可能ですが、裁判は時間や手間がかかる大変な手続ですので、一旦他の手続を行ってから裁判手続に入ることが大半です。

裁判所は、自賠責保険や紛争処理機構の出した結果を重要な証拠として参考にすることが多いため、裁判で自分が主張した後遺障害等級を認めてもらうことは容易ではありません。

また、裁判手続になると、相手も話し合いで妥協していた点を白紙に戻して、過失割合や事実の主張を再度争うことが大半ですので、裁判所が証拠に基づいて最初から過失割合や事実認定をしていくことになります。

基本的には請求する側に証明責任がありますので、後遺障害等級とそれに見合った損害の賠償が認められるためには、事故のことを全く知らない裁判官を納得させるだけの十分な証拠が必要になります。

裁判所で後遺障害等級認定の結果をどの手続で争うか検討する際には、きちんと弁護士に相談してから決める必要があります。

後遺障害案件での弁護士介入後の損害賠償額の増額幅について

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2024年1月19日

1 なぜ弁護士が介入すると賠償金が増額するのか

弁護士は、介入すると、保険会社が使用する基準よりも高い計算基準で慰謝料等を計算し、請求、交渉するためです。

2 保険会社の使用する基準、弁護士が使用する基準とは

⑴ 保険会社が使用する基準について

保険会社が使用する基準とは、自賠責保険の計算基準(自賠責基準)や、任意保険会社基準を指します。

ア 自賠責基準

自賠責基準は、自賠責保険から支払いがある際の計算基準です。

自賠責保険は、すべての車両が加入することを義務付けられている強制加入の保険ですので、保障内容も最低限の内容となっております。

傷害部分については上限が120万円と定められており、慰謝料等も後述する裁判基準と比べると、低額です。

イ 任意保険会社基準

任意保険会社基準は、自賠責保険の上限を超えたため任意保険基準で算定しました、とか、症状が重いことを考慮して自賠責基準よりも高額な任意保険基準で算定しました、等のような保険会社からの説明のもと使用されることが多いです。

このような説明のとおり、自賠責基準よりは高額なのですが、実際のところ不透明な計算基準です。

実際には自賠責基準と大して差がない金額であることも多いです。

また、後述する裁判(弁護士)基準よりは、かなり低いことがほとんどです。

保険会社ごとに、一応の計算式などは定めているのでしょうが、よく計算根拠に「症状が重いため加算」「円満解決のため加算」などと書かれていたりするため、計算根拠はあってないようなものなのかもしれません。

⑵ 弁護士が使用する基準について

弁護士が使用する基準とは、いわゆる裁判(弁護士)基準と呼ばれるもので、仮に裁判を起こしたとすれば、裁判所が算定する際に参考にする基準のことを指します。

この裁判基準は、あくまで実際に裁判所に裁判を起こした場合に、裁判所が参考にする基準ですので、裁判まではいかず、示談で解決する場合には、保険会社は必ず裁判基準で示談に応じなければならない、というものではありません。

しかしながら、弁護士が介入している場合には、示談が成立しなければ、いずれ裁判を起こされ、結局のところ裁判基準で支払わなければならなくなることから、保険会社も可能な限り裁判基準に近い金額での示談に応じてくれるのです。

3 弁護士が介入した場合の増額の幅について

以下は、全て裁判基準であるいわゆる赤い本基準で解説していきます。

14級9号(むちうち)の場合

ア 自賠責基準…75万円

後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益併せて75万円です。

イ 裁判基準

(ア) 後遺障害慰謝料…110万円…①

(イ) 後遺障害逸失利益…91万5940円…②

基礎収入400万円、労働能力喪失率5%、労働能力喪失率5年の場合

(計算式)

400万円×5%×4.5797(※)=91万5940円

※中間利息3%の場合の5年に対応するライプニッツ係数(令和2年4月1日以降の事故に適用されます)

(ウ) 弁護士基準合計

110万円(①)+91万5940円(②)=201万5940円

ウ 増額幅

201万5940円-75万円=126万5940円

このように、弁護士が介入することで、約130万円も増額することがあります。

後遺障害等級14級は、自賠責保険の等級の中で最も低い等級ですが、それでもこれだけの増額が可能です。

より重い等級であれば、弁護士介入による増額はより大きくなります。

4 賠償額がどれくらい上がるのか気になる方へ

上記のとおり、弁護士が介入しますと、裁判(弁護士)基準の高い基準で保険会社と交渉します。

そして、保険会社は弁護士が介入すると、多くの場合は裁判基準での交渉に応じてくれますので、ほぼ必然的に賠償金額が上がるのです。

どんな場合でも必ず弁護士介入をさせた方が、絶対に賠償金額が大幅に上がるというわけでは必ずしもないのですが、基本的には、弁護士を介入させないと、適切な賠償金額を勝ち取ることはまず難しいと思ってください。

自分のケースではどうなるのか気になる方は、相談料が無料(自己負担なし)で受けられますので、ぜひ、当法人の弁護士までご相談ください。

後遺障害による逸失利益

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年10月12日

1 後遺障害による逸失利益とは

交通事故に遭い、後遺障害が残ってしまった場合、後遺障害による逸失利益を請求できる場合があります。

後遺障害による逸失利益とは、交通事故の被害者に後遺障害が残った場合、後遺障害が残ったために、将来、得られるはずであった稼働収入等を失うか、あるいは減少することによって生じる損害のことです。

2 後遺障害による逸失利益の計算式

後遺障害による逸失利益は、次の計算式によって算出されます。

後遺障害逸失利益=基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間

なお、労働能力喪失期間は、労働能力喪失期間とされる年数をそのまま乗じるわけではありません。

後で説明しますが、中間利息を控除した労働能力喪失期間に対応したライプニッツ係数を乗じます。

3 「基礎収入」とは

逸失利益の計算式で用いられる「基礎収入」は、事故当時の被害者の実際の年収です。

⑴ 給与所得者の基礎収入は、原則として事故当時の収入額とされ、事故の前年度の給与額によります。

通常、事故前年度の源泉徴収票等が使用されます。

給与には、賞与も含まれ、本給のほか各種手当等も含まれます。

将来の昇給が予定されている場合などは、給与規定、昇給基準が確立されている場合には考慮された例もあります。

⑵ 自営業者、農業従事者等、事業所得者の基礎収入は、原則として事故当時の所得額とされます。

事故の前年度の所得税確定申告書によるのが基本です。

確定申告書がない場合は、課税証明書等、これに代わりうる客観的な資料があればそれによります。

客観的な資料がない場合には、賃金センサス等が用いられる場合もありますが、実際には、かなり認定が困難となることが多いようです。

⑶ 主婦等、家事従事者の基礎収入は、原則として賃金センサスの女性労働者の平均賃金額となります。

高齢者の場合は、年齢別の賃金センサスを用いる場合もあります。

⑷ 学生の基礎収入は、原則として賃金センサスの全年齢平均賃金額となります。

なお、女子学生については、従前は女性労働者の平均賃金が用いられていましたが、最近では全労働者(男女計)の平均賃金を用いるのが裁判例の傾向です。

⑸ 失業者や高齢者等、事故当時に無職であった方であっても、生涯ずっと仕事をせず、収入が得られないと考えることは不合理ですので、後遺障害逸失利益は認める方向で考えられます。

この場合、失職前の収入や賃金センサスを参考に基礎収入を認定します(控えめな認定がなされることがあります)。

高齢者であり不労所得も十分にあるなど、今後も働くことがあまり考え難い場合は、逸失利益は否定される場合もあります。

4 「労働能力喪失率」とは

「労働能力喪失率」とは、後遺障害が残存したことによって事故前と同等に働くことができなくなり、その労働能力喪失の度合いをパーセントで表したものです。

自賠責保険においては、後遺障害等級表で、等級ごとに労働能力喪失率が定められています。

例えば、第1級・第2級・第3級は100%、第4級は92%、第5級は79%、第6級は67%、第7級は56%、第8級は45%、第9級は35%、第10級は27%、第11級は20%、第12級は14%、第13級は9%、第14級は5%です。

交通事故による損害賠償請求訴訟においても、裁判所は、労働能力喪失率を判断するにあたって、自賠責保険における後遺障害等級表を参考にします。

ただし、あくまで参照するにすぎず、個別具体的な事情を考慮して、自賠責保険の後遺障害等級表とは異なった労働能力喪失率を認定した裁判例もあります。

5 「労働能力喪失期間」とは

逸失利益の計算式で用いられる「労働能力喪失期間」とは、後遺障害が残存したことによって事故前のような労働能力を失うことになる期間をいいます。

一般的には、後遺障害が残存した日(これを症状固定時といいます。)から67歳までの年数とされることが多いです。

そして、一般の人であれば働くことができる年数は67歳程度までと考えられていますが、67歳までの年数をそのまま乗じるわけではありません。

しかし、逸失利益を含む損害賠償金の支払いは、多くは将来の分も含め、示談時や判決時に一括で支払われます。

例えば、労働能力喪失期間を10年とした場合、10年分の逸失利益が前倒しで支払われることになるので、10年分の利息分を控除する必要が生じます。

これを中間利息控除といいます。

中間利息相当額の計算は煩雑ですから、複雑な計算を簡単にするために、通常、労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数が用いられます。

後遺障害案件を弁護士に依頼した場合の解決までの流れ

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年6月20日

1 はじめに

弁護士に、後遺障害案件を依頼した場合の流れは、大まかに以下のとおりです。

①治療をする、②治療の終了(治癒、打ち切り、症状固定等)、③後遺障害を申請する、④申請結果が出て妥当性を検討する、異議申し立てをする⑤等級確定後、損害額算定、⑥示談交渉、⑦ADRや訴訟

以下、詳述していきます。

2 ①通院について

治療中は、とにかく治療に専念していただく時期になります。

慰謝料等の賠償金のお話は、この時期は、基本的に出てきません(休業損害等の内払のお話がある場合もございますが)。

この治療中にお気をつけていただきたいことは、通院の適切なペースです。

あまりに通院ペースが少ないと、症状が軽いと思われたり、治癒したと誤解され、未だ治癒していないにもかかわらず打ち切られたりするリスクがあります。

また、適切な後遺障害等級の認定を受けることが難しくなります。

そこで、少なくとも週2~3回(月10回程度)はコンスタントに通院しておいたほうが無難です。

もっとも、いろいろと例外もありますので、詳細は、担当弁護士にお尋ねください。

3 ②打ち切り、症状固定について

お怪我が完治すれば、その時点で治療終了となり、損害額算定、示談交渉へと進んでいきます。

これに対し、ある程度治療したにもかかわらず、お怪我が治りきらなかった場合、どこかのタイミングで交通事故の治療に区切りをつけなければなりません(症状固定)。

それは、保険会社から打ち切りとされる場合もあれば、医者から症状固定となったと診断される場合もございます。

その場合は、まず、症状固定となったと判断して良いのか、弁護士にご相談ください。

特に、不当に早い打ち切りの場合は、弁護士が介入して治療費支払いの延長交渉をする必要がある場合もあります。

詳細は、当法人の弁護士までお尋ねください。

4 ③後遺障害申請について

完治せず、症状固定となった場合は、症状に応じて、後遺障害の申請をした方が良い場合があります。

後遺障害の申請をする場合は、症状固定日を決定し、主治医に後遺障害診断書を書いてもらいます。

また、後遺障害の申請には、ほかにも月ごとの診断書、診療報酬明細書、事故後に撮影した画像(レントゲン、CT、MRIなど)等の必要資料がありますので、これを収集し、提出することとなります。

5 ④申請結果判明及び異議検討

後遺障害の申請は、加害者加入の自賠責保険に対して行います。

申請してから、審査期間として概ね1か月~3か月程度で、後遺障害の認定の有無や等級の結果が出ます。

弁護士が結果の妥当かを検討し、妥当でなく異議申立てをした方がよいかなどのアドバイスをさせていただきます。

6 ⑤等級確定後、損害額算定

後遺障害の等級が決まりましたら、今後は等級を踏まえて、加害者側に請求する損害額の算定に移ります。

7 ⑥示談交渉について

損害額算定後、保険会社に請求をし、賠償金の交渉を始めます。

適切な金額、納得できる金額で相手方と合意できれば、示談解決となります。

この場合は、裁判を起こす必要はありません。

8 ⑦ADRや訴訟について

示談段階で、保険会社が認めた金額がかなり低額であるとか、双方の主張する金額に大きな開きがある場合などは、

裁判を検討したほうが良い場合があります。

特に、損害額が高額な案件(損害額が数千万円に及ぶ場合など)の場合には、どうしても、双方の主張に開きが大きくなる場合が多いです。

9 解決期間

交通事故の解決までの期間の目安は、被害者の症状やケガの治り具合によって全く異なりますので、一概にいえません。

もっとも、一応の目安としては、後遺障害が認定される場合は、症状固定までに約半年~1年程度あるいはそれ以上、症状固定日から後遺障害申請までに1~3か月程度(資料の収集でもっとかかる場合もあります)、後遺障害申請からその結果が判明するまでに、1か月半~2、3か月程度、等級が確定してから損害額の算定ができるまでに2週間~1か月程度、示談交渉開始してから、金額がまとまるまでに、2週間~1~3か月程度かかる場合があります。

当然ながら、上記期間はあくまでも大まかな目安ですので、場合によって短くなったり、長くなってしまうケースもあります。

損害額算定には、病院の協力や保険会社の協力が必須であり、病院も保険会社も、被害者一人のためだけに最優先して動いてくれるわけではないという事情があるからです。

後遺障害の申請は事前認定と被害者請求どちらでするべきか

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年2月9日

1 後遺障害申請における2通りの方法

交通事故の後遺障害の申請には、事故の加害者側の任意保険会社に行ってもらう方法と、被害者側が行う方法があります。

前者を事前認定、後者を「被害者請求」といいます。

どちらの方法によるかは被害者の自由ですが、弁護士が介入していないケースでは、ほとんどの場合で事前認定により後遺障害の申請が行われます。

2 事前認定

交通事故の加害者側の任意保険会社が、治療費等の対応に引き続き、治療終了後に後遺障害の申請を事前認定により行うことが一般的です。

事前認定によることのメリットは、被害者の負担が少なく、スピーディであるという点です。

後遺障害の申請には必要書類の準備が必要となりますが、任意保険会社に一任すれば、被害者側で資料の取り付けることはほとんどなく、被害者の手間があまりかからない手続きであるといえます。

また、任意保険会社には、治療費等の対応をする際に診断書、診療報酬明細書、事故証明書などの申請に必要な資料を既に程度揃えているため、被害者請求と比較して、請求までの時間は短いといえます。

3 被害者請求

これに対し、被害者請求による場合は被害者が自分で申請書類等を準備しなければなりません。

提出書類は、診断書、診療報酬明細書、事故証明書その他多岐にわたっているため、手間がかかることと、そもそも必要書類として何が必要なのかわからないということも考えられます。

事前認定と比べれば、被害者に負担のかかる手続きであるといえます。

他方、自賠責保険で後遺障害の等級が認定された場合、自賠責保険から等級に応じて算出される保険金が認定されるとほぼ同時に支払われます。

この点、事前認定で申請した場合、後遺障害の認定後、任意保険会社との賠償金の交渉を経て、はじめて上記自賠責保険からの保険金を含めた賠償金も支払われることが通常であることを考えると、任意保険会社と交渉する前に、一定の金額を得ることができるという利点があります。

特に、後遺障害の程度が重い場合には、既に後遺障害の申請時点で被害者やその家族が多くの出費を強いられていることがありますし、将来的に発生する治療費や看護で要する費用などの発生が予想されること、示談までに相当な期間を要することが少ないことから、先行して一定金額を受け取ることができる利点は大きいです。

4 事前認定と被害者請求とではどちらによるべきか

以上のことを踏まえ、当法人としては、基本的には、被害者請求の方法によるべきであると考えております。

被害者請求では、適正な等級認定獲得を目指し、しっかり準備をすることができるからです。

自賠責保険の審査は、面談審査が行われることも有りますが、基本的には書面審査であり、申請書類で勝負が決まります。

異議申立てという不服申し立ての手続きが用意されていますが、この手続きで必ず挽回できるとは限らないため、初回申請の段階で、できるかぎり備えなければなりません。

この点、被害者請求であれば、後遺障害診断書をはじめ必要資料を過不足なく用意できたか、必要な検査結果・画像資料を添付したか、事故の大きさを理解してもらうための車両の損害資料などを適切に準備できたか等を十分に検討することが可能です。

後遺障害等級認定が受けられるか受けられないかはもちろん、等級認定された場合でも1つ等級が異なるだけで、賠償金は大きく変わりますので、適正な等級認定を獲得するためにも、被害者請求によるべきです。

もっとも、等級認定の見込みや、弁護士費用等の関係上、例外的に事前認定の方法で進めた方がよい場合もありますので、個別の事案でどちらの方法によるべきか迷われている場合には、弁護士にご相談されることをお勧めします。

5 当法人にご相談ください

当法人には、交通事故に関して、後遺障害の申請手続を含む、後遺障害全般に詳しいスタッフが揃っております。

後遺障害の認定機関である「損害保険料率算出機構」に長年在籍していたスタッフが数名所属しており、各スタッフはこれまでに数千件もの後遺障害事案に携わってきました。

そして、後遺障害についての勉強会も定期的に実施し、日々知識に磨きをかけております。

ぜひ、後遺障害の申請をお考えの方は、私たちにご相談ください。

交通事故における後遺障害について弁護士に相談

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2022年11月4日

1 後遺障害認定の重要性

交通事故の被害者にとって、後遺障害が認定されるか否かは、非常に重要な問題です。

後遺障害が認定されるか否かによって、賠償金額が驚くほど変わるためです。

2 後遺障害とは

わかりやすくいうと、後遺障害とは、交通事故に遭い治療を続けてきたものの、残念ながら痛みや関節の動きの制限その他の事故で被った症状が完全に治ることなく、症状固定後も残存する状態になってしまったものをいいます。

3 後遺障害が認定されることが重要である理由

後遺障害は、まずは自賠責保険において認定されます(自賠責保険で認定されなかった場合、裁判を起こして裁判所で認定してもらう場合もあります)。

自賠責保険(あるいは裁判)で後遺障害が認定されると、次のような金額が支払われます。

一つ目が後遺障害慰謝料(後遺障害が残存することで将来に亘って後遺障害と付き合っていかなければならないことによる精神的な苦痛に対する賠償)です。

二つ目が後遺障害逸失利益(後遺障害が残ったことで将来にわたり仕事や家事への支障が継続することになるためその労働能力の低下に対する賠償)です。

上記二つの項目が加わることになり、後遺障害が認められない場合と比べ、示談金額は大きく異なります。

後遺障害の等級によっては、何倍もの違いとなることも有ります。

4 後遺障害の申請を弁護士に依頼した方が良い理由

後遺障害の診断は、医師がするものですが、これで後遺障害が確定的に認定されるわけではありません。

医師の判断は尊重されますが、後遺障害を認定する機関は、あくまで損害保険料率算出機構(自賠責保険)と裁判所になります。

後遺障害の申請は、被害者の方にとっては、手続き自体が面倒であり、手続きを代行してもらえるだけでも弁護士に依頼するメリットは大きいと思います。

また、被害者が自分で行おうとすると、資料が適切に揃えられず、不十分な申請となり、その結果、認定されるべきケースにもかかわらず認定されなかったということにもなりかねません。

5 後遺障害申請を当法人に依頼するメリット

交通事故の被害者にとって、後遺障害があるにもかかわらず認められないことは、「痛みがあるにもかかわらず、その痛みを分かってもらえない」ことを意味し、とても辛く悔しい思いをすることになります。

しかしながら、後遺障害の申請は適切に行わなければ主治医が後遺障害と診断しているにもかかわらず、自賠責や裁判所では、後遺障害であると認定されないケースが少なくないです。

当法人では、①毎月、交通事故に関する研修を実施、②長年、後遺障害等級認定に携わってきた自賠責の職員をヘッドハンティングしているため、後遺障害の法的な認定を受けることに自信があります。

6 交通事故の後遺障害申請は弁護士法人心 名古屋法律事務所へ

後遺障害等級認定には、必要書類の適切かつ十分な収集が重要です。

「後遺障害が残存しているにもかかわらず、認定機関にうまく伝わらなかったことで、適切な賠償がなされなかった」という事態を避けるため、交通事故に遭ってしまったら、お早めに、弁護士法人心 名古屋法律事務所へご相談ください。

後遺障害が残りそうな怪我ほど治療中のサポートが重要

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2022年8月10日

1 交通事故における後遺障害とは

交通事故で怪我をして、長期間治療を受けたにもかかわらず症状が残った場合、「後遺障害」の申請をすべき場合があります。

この「後遺障害」とは、何でしょうか?

交通事故実務において、「後遺障害」とは、一般的に、「これ以上治療を続けても症状の改善が望めない状態(症状固定)になったときに存在する障害」といわれています。

「後遺障害」があると認定されると、認定された等級や症状の内容、日常生活への支障の内容その他の事情に応じて、後遺障害逸失利益(後遺障害が残らなければ得られるはずであった利益の賠償)、後遺障害慰謝料(後遺障害が残ったことによる精神的苦痛を慰謝するもの)が支払われます。

2 後遺障害の認定はどのように行われるか

後遺障害の申請は、自賠責保険に対して行います。

そして、自賠責保険は、申請を受けた案件を損害保険料率算出機構へ送り、損害保険料算出機構(あるいはその下部組織の調査事務所)が後遺障害の有無を判断します。

この判断は、書面審査で行われます。

審査で用いられる資料は、後遺障害診断書、その他の診断書、診療報酬明細書、カルテ、レントゲンや、CT、MRI等の画像資料、交通事故証明書、事故車両の損害調査報告書や事故車両の写真等で、ある程度決まっています。

ここで注意が必要なのは、認定するのは被害者を見てきた主治医ではなく、損害保険料算出機構(あるいは下部組織の調査事務所)であること、面談や電話で、主治医や被害者本人に症状などを確認するということは原則なされず、提出された書類等に基づいて判断されるということです。

従って、認定においては、後遺障害診断書や治療中に主治医が記載した診断書やカルテ等の記載内容、治療中に受けた検査内容が非常に重要になっていきます。

3 適切な認定を受けられない場合もある

適切な後遺障害の認定を受けるためには、主治医に症状をポイントをついて正確に伝え、必要な検査や治療を受けることが非常に重要なのは既に説明したとおりです。

しかし、交通事故の被害者は後遺障害について必要な知識がないことが多く、主治医にポイントをついた症状の伝え方ができず、その結果、後遺障害診断書や診断書、カルテ等に後遺障害が認定されるために必要なポイントをついた記載がしてもらえないというケースがあります。

また、患者である被害者の方はポイントをついた伝え方をしていても、医師側がそれを正確に後遺障害診断書等に記載してくれない場合もあります。

というのは、医師はあくまでも治療の専門家であって、交通事故の損害賠償に関しては専門外ですので、後遺障害の認定を受けるための知識等はないことも多いのです。

診断書等は後遺障害の認定を受けるために重要な資料であり、ポイントをついた正確な記載がないと、適切な認定を受けることができません。

したがって、このようなケースを未然に防ぐためには、被害者が、後遺障害の認定についての知識や経験のある弁護士から、症状をポイントをついて正確に伝えているか、あるいは必要な検査を受けているかといったサポートを受けながら、治療をしていく必要があります。

4 治療のサポートは交通事故に詳しい弁護士に依頼するべき

後遺障害の認定は、様々な要素を総合的考慮して判断される高度な専門的判断であり、交通事故あるいはその後遺障害について十分な知識や経験を備えた弁護士でなければ、適切なサポートをすることができません。

したがって、弁護士に委任するときでも、交通事故や後遺障害の認定を得意とする弁護士に依頼をすることが大切になってきます。

5 交通事故の相談は弁護士に相談を

当法人には、交通事故案件を得意としている弁護士が複数おります。

交通事故に遭い、後遺障害が残りそうな重い症状がある場合には、できる限り早い段階から、弁護士法人心 名古屋法律事務所にご相談ください。

交通事故における後遺障害

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2022年6月6日

1 交通事故の後遺障害ってどんなもの?

交通事故で後遺障害が残った、という言葉はよく耳にするのではないでしょうか?

このようなとき、交通事故で治療をしたけれども、痛みや症状が少しでも残れば、仕事や日常生活に支障が無くても全て後遺障害が残ったと判断される、と考えてしまうかもしれません。

しかし、交通事故における後遺障害とは、交通事故により傷害を負い、その傷害による症状が将来においても回復の見込めない状態となり、交通事故とその症状との間に因果関係があり、その存在が医学的に証明されるもので、自賠責の等級に対応する労働能力喪失が認められる場合をいいます。

そして、自賠責保険にて、その等級を認定されなければなりません。

したがって、痛みが残存しても、上記定義に該当せず、自賠責保険でも認定が受けられない場合には後遺障害ではないことになります。

適切な認定を受けるためには、交通事故後早い段階から交通事故を得意とする弁護士にご相談することをおすすめします。

2 後遺障害慰謝料ってどんなもの?

後遺障害が認められた場合に認められる項目の一つとして、後遺障害慰謝料があります。

その算定基準は一つではないのですが、最も高額になりやすい弁護士基準(裁判基準ということも有ります)の場合、110万円が目安です。

もっとも、これは相場ですので、後遺症の重さや程度などによって上がる場合もあります。

他方、保険会社は75万円という金額を提示してくることが多いです。

この75万円という金額は、いわゆる自賠責基準とされるもので、14級が認定された場合に、自賠責保険会社から支払われる金額です。

ご自身で保険会社と示談交渉される場合では、この75万円という金額から増額しない場合が多いです。

適正な賠償額(弁護士基準)を得るために増額を目指す方は、弁護士に相談することをおすすめします。

3 後遺障害逸失利益ってどんなもの?

もう一つ、後遺障害が認められた場合の効果の一つとして、後遺障害逸失利益が支払われます。

後遺障害逸失利益とは、後遺障害が生じなかったならば、将来得られるはずだった収入等の利益をいいます。

逸失利益は①「基礎収入」×②「労働能力喪失率」×③「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数(またはホフマン計数)」により算出されます。

以下では、基礎収入1000万円・等級が8級・症状固定時の年齢が47歳の事案で説明します。

①について、1000万円となります。

②について、8級では労働能力喪失率が45%とされています。

③について、労働能力喪失期間は原則として症状固定時から就労可能年数67歳までの期間を基準とするため、労働能力喪失期間が20年(67歳-47歳)となります。

そして、通常はホフマン係数ではなく、ライプニッツ係数を用います。

20年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数は14.877です。

以上より、上記事案における逸失利益は①1000万円×②0.45×③14.877=万6694万6500円となります。

弁護士に依頼せず、保険会社とご自身で交渉される場合、上記の労働能力喪失期間を不当に短く言われたり、労働能力喪失率を不当に低く言われたりして、本来認められる金額よりも低い金額を提示される場合がございます。

他にも、保険会社によっては、被害者の方の年齢や職業などを理由に逸失利益を不当に低く見積もってくることもあります。

そこで、適切な逸失利益を受け取りたいと思われる方は弁護士へご相談ください。

4 後遺障害の認定はどのように行われるか

医師が作成した診断書などの申請資料を自賠責保険会社に提出して申請すると、自賠責保険会社が提出された資料を損害保険料率算出機構に送付し、自賠責調査事務所(損害保険料率算出機構)が後遺障害の調査を行います。

一般的には、申請後2~3週間すると、自賠責調査事務所(損害保険料率算出機構)から画像等の取り付け依頼が申請者あるいは医療機関になされます(画像等が存在する場合に限ります)。

自賠責調査事務所(損害保険料率算出機構)に画像等が提出されると、自賠責調査事務所(損害保険料率算出機構)にてその他の資料等を踏まえ審査が行われ、審査が終わると調査結果が自賠責保険会社に送付されます。

自賠責保険会社は、この調査事務所(損害保険料率算出機構)の調査結果を踏まえて、認定を行います。

5 申請方法

申請を行う上では、いくつかの手続きと書類の準備が必要となります。

必要書類としては、①自賠責保険支払請求書兼支払指図書②交通事故証明書③事故発生状況報告書④後遺障害診断書、⑤④以外の治療中に基本的には毎月作成される診断書、⑥診療報酬明細書などが必要となります。

必要な手続きとしては、まず医師に後遺障害診断書を作成していただきます。

そのうえで、上記書類を揃えること及び書類の必要事項を記入します。

書類が準備できたら、自賠責保険会社に対して書類を送付します。

この申請に関しては、被害者側で行う方法(被害者請求といいます)と、加害者の任意保険会社を通じて行う方法があります。

加害者側の任意保険会社を通じて行う場合は、保険会社の指示にしたがって必要書類の準備等をすれば、保険会社が必要な手続きを代行して行ってくれるので、手間がかからず、スピーディです。

もっとも、保険会社はあくまで相手方ですので、被害者に後遺障害が認定されることは、保険会社にとって必ずしも嬉しいことではありません。

中には、不利な資料を付けて後遺障害が認められないよう申請代行を行うケースもあるようですので注意が必要です。

できれば、弁護士に相談し、しっかりと準備をしたうえで、申請を代行してもらうことをおすすめします。

6 認定結果に納得がいかない場合の対応方法

認定の結果に納得がいかない場合には異議申し立てを行うことができます。

異議申立を行う場合には、異議申立書が必要となります。

その他に添付資料がある場合は異議申し立て書とともに添付書類も付して、自賠責保険に提出します。

異議申立書には、異議申し立ての趣旨等を記入します。

異議申し立ての趣旨欄には、何が不服で異議申し立てをするのかを記入します。

たとえば、前回の認定理由において、症状が正しく評価されていない部分がある場合などは、 それを指摘して、正しい症状を伝えることが必要となります。

提出資料が不足していたために認定されなかったと考えられる場合は、新たな資料を提出し、その旨記載する必要があります。

その他にも、交通事故との因果関係が否定された場合など難解なものも否定理由になる場合もありますので、是非交通事故を得意とする弁護士に相談することをおすすめします。

7 申請における注意点

いわゆるムチウチといわれるお怪我の場合で、事故から3か月ほど経過すると、保険会社から後遺障害申請の案内が届く場合があります。

多くの方は、ご自身のお体に痛みが遺られていることから、この案内に従って申請をしてしまうことが多いです。

しかし、ムチウチの場合に3か月で治療を終了して(症状固定として)後遺障害の申請をしても、まず認定されることはありません。

そのため、認定される可能性の低い段階で申請の案内が届いた場合には注意が必要です。

保険会社への対応に不安を感じられた場合は、弁護士へご相談ください。

8 後遺障害等級の併合

⑴ 後遺障害の併合とは

後遺障害の等級には1級から14級まで存在し、障害の重さ、症状によって等級が認定されます。

なお、1級が一番重く、14級が一番軽い等級となります。

この等級認定の際に、二つ以上の障害が認定される場合があります。

その際は、「併合」というルールに基づいて処理されます。

⑵ 併合処理

併合処理の結果、等級に影響する場合があります。

この点、自賠法施行令2条1項3号に併合処理の方法が規定されています。

併合処理の方法は以下のとおりとなります。

ア 5級以上の障害が2つ以上存在する場合

この場合には、重い方の等級を3級繰り上げます。

たとえば、4級と5級が認定された場合は、重いほうである4級を3つ繰り上げるため、併合1級が認定されます。

一方で、最も重い1級よりも繰り上げることはできませんので、2級と3級のが認定された場合には併合1級が認定されます。

イ 8級以上の障害が2つ以上存在する場合

この場合には、重い方の等級を2級繰り上げます。

たとえば、7級と8級が認定された場合は、7級を2つ繰り上げるため、併合5級が認定されます。

ウ 13級以上の障害が2つ以上存在する場合

この場合には、重い方の等級を1級繰り上げます。

たとえば、12級と13級が認定された場合は、12級から1つ繰り上げて併合11級が認定されます。

エ ア~ウ以外で障害が2つ以上存在する場合

この場合には、症状の重い方の等級が認定がされます。

たとえば、14級と12級が認定された場合は、12級と認定されます。

⑶ 併合による効果

ア 自賠責保険金の支払金額

自賠責保険では、併合後の等級に応じて保険金額が支払われます。

したがって、上記⑵ア~ウの場合には併合前よりも支払われる保険金額が増えます。

ただし、併合前のそれぞれの等級の保険金額の合算額が併合後の等級の保険金額を超えるときは、合算額が限度です。

たとえば、9級と13級が併合処理された場合、併合8級の認定となりますが、8級の自賠責保険金額は819万円であるのに対して、9級の自賠責保険金額は616万円であり、13級の自賠責保険金額は139万円であるから、合計すると755万円となります。

そうすると、この場合の併合8級の自賠責保険金額は755万円となります。

イ 慰謝料

併合処理によって等級が繰り上がると、慰謝料も増額します。

等級に対する慰謝料の金額相場に関しては、当法人の「お役立ち情報」をご覧ください。

ウ 逸失利益

併合処理によって等級が繰り上がると、一般的には併合後の等級の労働能力喪失率が適用されることとなります。

これは、裁判所が自賠責保険の認定を尊重していることから、通常であれば自賠責の等級を基準として逸失利益を判断しているからです。

もっとも、個別具体的な事情を考慮して併合前の等級による労働能力喪失が相当だと判断される場合もあります。

エ 小括

以上のとおり、併合によって等級が繰り上がる場合には、様々な効果があります。

ご自身の等級が知りたいという方は、弁護士法人心の無料診断サービスをご利用ください。

弁護士が皆様のお話しや資料をもとに、得られる可能性のある等級を診断させていただきます。

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弁護士が後遺障害等級申請をサポートします

後遺障害が残ってしまった方へ

交通事故によるケガの中には、治療を受けて治るものもあれば、治りきらずに後遺症として残ってしまうものもあります。

そのような場合は、後遺障害申請を行い、後遺障害認定を受けることが大切です。

等級申請の結果がどのようなものになるかということは、残ってしまった後遺症に対して適切な賠償を受けられるかどうかということに対して大きな影響を及ぼしますので、後遺症が残ってしまった場合は、適正な等級が獲得できるように適切な申請を行う必要があります。

申請にあたっては、適切に資料をそろえて後遺障害の程度を理解してもらえるようにする必要がありますので、弁護士のサポートを受けることをおすすめいたします。

後遺障害について弁護士に相談しやすい環境です

当法人では、後遺障害が残ってしまわれた方が適切な賠償を受けることができるよう、申請をサポートするチームを結成しています。

また、初めて弁護士に相談するという方にも少しでもお気軽にご相談いただけるよう、後遺障害の等級を弁護士が無料で診断させていただくサービスも実施しております。

交通事故に関するご相談には、弁護士費用特約のご利用が可能です。

弁護士費用特約が保険についていない方の場合でも、原則相談料・着手金無料でご相談いただくことができますので、まずは弁護士へお悩みをお話しいただければと思います。

後遺障害に関するご相談は、弁護士法人心 名古屋法律事務所へのご来所のほか、お電話で弁護士にお話しいただくことも可能です。

まずは弁護士とご相談いただける日程を調整いたしますので、お気軽に当法人のフリーダイヤルへお電話ください。

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