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交通事故証明書

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2022年3月14日

1 交通事故証明書とは

交通事故証明書とは、交通事故の発生を証明するために用いられる、自動車安全運転センターが発行する文書です。

「事故証明」と呼ばれることもあります。

交通事故の被害者が、自身が加入する任意保険を利用したり、加害者に対して損害賠償請求をしたり、自賠責保険会社に対して被害者請求をする際には、通常、交通事故証明書が必要となります。

交通事故証明書には、交通事故発生の日時・場所、当事者の住所・氏名、自動車両番号、自賠責保険の会社名・証明書番号などが記載されており、いつ、どこで、誰が、どんな類型(車と車か、車と歩行者か、出会い頭か、追突か等)で事故に遭ったのかなど、その後の手続きを進める上で必要不可欠な事実を裏付ける資料となります。

2 自転車の事故でも発行される?

交通事故証明書は、自転車であっても発行されます

この場合には、交通事故証明書の車種の欄に「自転車」と記載されます。

3 警察へ交通事故の届出が必要

交通事故証明書は、警察からの情報提供をもとにして記載・発行されます。

そのため、発行を受けるには、あらかじめ事故が発生したことを警察に届け出る必要があります。

加害者から警察への報告は義務ですが、被害者も警察を呼ぶことなしに済ませてしまうと、後に、交通事故の発生を証明することが困難になりますから、交通事故が起きたら必ず警察に届け出ましょう(参照:国土交通省・自動車交通局・自動車総合安全情報)。

4 物件事故扱いから人身事故扱いへの変更

病院で取得した診断書を警察署に提出することにより、交通事故証明書について物件事故扱いから人身事故扱いに切り替えることができます。

物件事故扱いか人身事故扱いかは、後遺障害の等級認定や賠償額などに影響することがあるので、交通事故で怪我をされた場合には、原則、人身事故扱いに切り替えましょう。

5 交通事故証明書の取得方法・費用・期限

自動車安全運転センターに申請して発行してもらいます。

①窓口で取得する方法、②郵便振替による方法、③インターネットによる方法、があります。

1通につき600円の交付手数料がかかります。

物件事故は3年、人身事故は5年を経過した場合、原則として申請できなくなりますので注意が必要です。

発行の申請をできるのは、交通事故の加害者、被害者、その他一定の利害関係人に限られます。

参考リンク:自動車安全運転センターのウェブサイト

その他、保険会社から写しの提供を受けられることもあります。

また、弁護士に依頼していれば、当事者本人に代わって弁護士が取得することもできます。

6 交通事故証明書の「甲」「乙」とは?

交通事故証明書には、甲欄と乙欄があります。

甲欄には加害者(過失割合が大きい方)、乙欄には被害者(過失割合が小さい方)が記載されるのが通常です。

もっとも、民事上の損害賠償における過失割合は警察が決めるものではなく、最終的には、示談や裁判で決まるものですので、交通事故証明書における甲欄と乙欄の記載は絶対的なものではないことに注意が必要です。

7 交通事故証明書の重要性

交通事故証明書は、事故によって発生した損害の賠償請求をするために、必須ともいえる文書です。

例えば、 加害者の住所や氏名が不明であったり、誤っていたりすると、加害者に損害賠償を請求する旨の文書を送付することができません。

また、交通事故の発生日時や発生場所が誤っていると、交通規制の有無等により、過失割合の判断に影響を与えかねません。

さらに、加害車両の登録番号から、運転者以外にも損害賠償を請求し得る相手がいるか等について、調査することができます。

ただし、交通事故証明書は、事故態様、損害の程度、過失の有無やその割合等を直接に証明するものではありません。

交通事故に関してお困りの際は、弁護士法人心 名古屋法律事務所までご相談ください。

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