家族信託をお考えの方へ
家族信託とは、自分の死後または老後に備えて、不動産や預貯金などの財産の管理を家族に託す制度です。
どの財産を、誰に、どのように管理してもらうかという点を、遺言以上に柔軟に決められること、また、遺言と異なり自分が生きているうちから財産の管理を委託できることなど、様々なメリットがあります。
しかし、他の法律や税の制度などについても考慮に入れないと、思った通りの信託が行えなくなってしまうリスクもあります。
可能な限りご意向に沿った信託を可能にするためにも、家族信託をお考えの方は一度弁護士にご相談ください。
名古屋やその周辺にお住まいの方であれば、名古屋駅近くにある弁護士法人心へのご相談が便利です。
詳細につきましては、以下のサイトをご覧ください(以下のボタンをクリック)。
事務所のご案内
当法人の事務所は名古屋駅の近くにあります。名古屋で家族信託をお考えの方はお気軽にお越しください。詳しい所在地等はこちらからご確認いただけます。
家族信託の相談をする際の注意点
1 信頼できる方の協力が不可欠
家族信託をするということは、誰かに財産を預けるということです。
この「財産を預ける」という行為は、単純に預けるだけでなく、名義の変更までしてしまうことになります。
そのため、「信頼できる方の協力」が不可欠ですし、「信頼できる方」として誰を選ぶのかが重要です。
2 適切な受託者を決める
家族信託では、財産を預かる人のことを「受託者」といい、家族の誰かが受託者になるケースが多いです。
では、だれが受託者として適切なのでしょうか。
この点は、一概に言える話ではなく、家族信託の目的によって、誰が適切なのかは変わってきます。
たとえば、高齢の夫の財産を誰かに託すとなった時、同世代の妻を受託者に指定することは、適切とは言えません。
年齢が近い夫婦であれば、どちらが先に亡くなったり、認知症になったりするかが分からないためです。
3 税金面でも注意が必要
財産を預かり、管理・運用する以上は、常に税金のことを意識する必要があります。
家族信託契約を締結するとき、家族信託契約が係属しているとき、家族信託が終了するとき、それぞれの場面でどのような税金が課せられるのかは、慎重な検討が必要です。
4 家族信託の終わりを考える必要性
家族信託は、いつかは終わることが予定されている制度です。
終わった際は、預けた財産をどのように承継していくかということがポイントになります。
しかし、この「家族信託の終わり」は、家族信託契約が終了するときに検討すればいいというものではありません。
契約書作成の段階で、あらかじめ家族信託の最後の部分まで、決めておく必要があります。
家族信託の無料相談をお考えの方へ
1 無料相談は積極的に利用しましょう
家族信託契約は、家族の誰かに財産の管理を託すものなので、かなり長期的な内容の契約です。
家族信託によって、財産を管理する過程で、分からないことがたくさん出てくることもあるため、いつでも相談ができる弁護士が必要です。
そういった場合は、家族信託契約の契約書を作成した弁護士が、相談相手として適しています。
なぜなら、家族信託をするに至った経緯や、契約内容をあらかじめ理解しているからです。
つまり、家族信託を弁護士に依頼した場合、その弁護士とは長年の付き合いになります。
そのため、専門的な知識などはもちろん、その弁護士との相性も重要です。
そこで、無料相談を利用して、その弁護士との相性も確かめる必要があります。
2 相続に強い弁護士を選びましょう
家族信託は、財産を預かるという性質の他に、財産を承継させるという性質も持った制度なので、相続の1分野であるという考え方もあります。
反対に、相続に関する知識や、判例の理解が不十分であれば、将来もめごとを起こさないための方策を盛り込んだ家族信託契約書を作ることは難しいと言えます。
そのため、相続に強い弁護士に相談することが大切です。
3 法人化している事務所を選びましょう
家族信託は、場合によっては、何十年も続く契約です。
そのため、個人の弁護士に家族信託契約書の作成を依頼しても、その弁護士が何十年も業務を続けられるとは限りません。
弁護士も人である以上、高齢になれば認知症になったり、事故や病気で廃業してしまう可能性は十分あります。
そうなった場合は、家族信託の状況を把握している弁護士に相談することができなくなってしまいます。
しかし、法人化し、弁護士が多数在籍している事務所であれば、このような心配は不要です。
家族信託契約書の作成に直接関与した弁護士がいなくなったとしても、その当時の資料は事務所内に残っているので、同じ法人内の他の弁護士が、引き続きアドバイスをすることが可能です。
家族信託で困った場合の相談先
1 家族信託で失敗すると裁判になることも
家族信託は相続分野と深い結びつきがあり、相続に関する法律を守っている必要があります。
しかし、相続に関する法律を破るような家族信託を行った結果、裁判を起こされ、家族信託契約の重要な部分が無効になったケースもあります。
そのため、家族信託に詳しい専門家のアドバイスを受けながら、慎重に制度設計をする必要があります。
2 国家資格を持った専門家に相談しましょう
様々なことを考慮した適切な制度設計を行うことは、相続に関する法律に精通していないと難しいです。
相続に関する民間資格は数多くありますが、試験範囲や試験の難易度はまちまちで、必ずしも相続に関する十分な知識が担保されるとは限りません。
相続に関する知識が不十分では、家族信託に関する適切なアドバイスは難しいことが多く、不適切な家族信託契約書が出来上がってしまうかもしれません。
他方、国家資格であれば、試験の範囲や試験の難易度は、国が設定しているため、民間資格よりは相続に関する知識もある程度担保されるといえます。
そのため、相談をする場合は、弁護士など、国家資格を持つ専門家に相談しましょう。
3 税金の専門家が在籍している事務所を選びましょう
制度設計を間違えると、多額の税金を支払うことになります。
しかし、法律の専門家であっても、税金に詳しいとは限りません。
そのため、家族信託の相談をする場合は、法律の専門だけでなく、税理士など税金の専門家も在籍している事務所を選ぶことが大切です。
4 銀行なども候補ではありますが・・・
一部の銀行は、家族信託の商品を提供しています。
しかし、銀行は相続に関する国家資格を持っているわけではありません。
また、将来的に家族信託に関する裁判が起こされたとしても、銀行が裁判のサポートをすることはできません。
そのため、家族信託について相談するのであれば、トータルサポートが可能な専門家に相談することが大切です。
家族信託でお悩みの方へ
1 家族信託はとても便利な制度です
たとえば、認知症になった方が施設に入ろうと思っても、入居費用を用意できない場合があります。
そんなときは、自宅を売却して、施設の入居費用を用意するという方法もありますが、認知症になった方は、不動産の売却などが難しい可能性があります。
そういった場合に備えて、あらかじめ家族に自宅の売却権限を与えておき、必要な時に売却をしてもらうという方法が効果的です。
そのための制度が、家族信託という制度です。
2 家族信託には落とし穴もあります
この制度は、便利ではありますが、落とし穴もあります。
たとえば、高齢になったAさんが、「自分が認知症になっても、子や孫にお小遣いをあげたい」と考え、子や孫への贈与を目的とし家族信託を行った場合、家族信託を行った年度に、莫大な贈与税が課せられる可能性があります。
また、家族信託をした場合、家族信託が終わった時に、預けていた財産を誰が受け継ぐのかをあらかじめ決めておく必要がありますが、その決め方次第では、相続人間で紛争が起きてしまう可能性があります。
このように、家族信託は、家族信託契約書作成時に、あらゆる事態を想定し、適切な対応をしておかなければ、残された家族に大きな問題を残すことになるかもしれません。
3 家族信託と他の制度の併用も検討しましょう
また、家族信託ではできないこともあります。
たとえば、施設に入居するための契約や、病院に入院するための契約など、身の回りのお世話をするためには、後見制度を利用する必要があります。
家族信託は、あくまで財産を預かる制度であるため、身の回りのお世話をすることまではできません。
また、家族信託では、預けた財産をだれに承継させるかまでは決めることができますが、預けていない財産をだれに承継させるのかを決めることはできません。
そのため、家族信託の対象外とした財産は、遺言書等によって、承継させる人を決めておかなければなりません。
このように、家族信託をご検討されている方は、他の制度の併用も検討することが大切です。
各専門家が協力できる強み
1 家族信託は1分野の専門家だけでは難しい
家族信託は、相続に関する法律、裁判例などの知識、家族信託に関する税金等、様々な分野の専門知識が必要になります。
そのため、家族信託を行う場合は、1分野の専門家だけではなく、様々な分野の専門家が関わったうえで行うことが大切です。
当法人は、法律の専門家である弁護士と、税の専門家である税理士が協力しながら信託のご相談に対応できる体制を整えております。
家族信託でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
以下では、各専門家が協力できる強みについてご説明いたします。
2 法律の専門家が関わることで、将来の紛争を防ぐことが可能
⑴ 財産を預けた後のトラブル防止
家族信託では、多額の現金、不動産、株式等を預けることになります。
ただし、預けるといっても、形式上は財産権そのものを移転させることになります。
たとえば、名古屋の不動産を家族信託で預ける場合、名古屋の不動産の所有権は、預かった側に移ります。
形式上、財産を預かった側は、財産の所有権を持っているため、大きな裁量が生まれます。
そのため、適正な財産管理を行っているか、何らかの不備がないかを、チェックする体制を整えておかないと、後々トラブルになる可能性があります。
家族信託に強い弁護士であれば、家族信託契約書の中に、適正なチェック体制を築くための文言を記載します。
⑵ 家族信託が終了した時のトラブル防止
家族信託は、財産を預けるだけでなく、預けた財産を誰かに承継させることが可能です。
その財産の承継のさせ方次第で、相続人間で不平等が生じるなどの理由で、裁判に発展することがあります。
家族信託を設計する段階で弁護士が関わっていれば、こういった事態を未然に防ぐための制度設計を行うことができます。
3 税金の専門家が関わることで、余計な課税を防ぐことが可能
⑴ 家族信託は、各種税金が問題になる
家族信託は、形式上は、財産の所有権を移転させることになるため、様々な税金が発生することになります。
財産を預ける際や、預かった財産を売却した際、あるいは家族信託が終了した際など、財産権が移る場面では、税金面に注意が必要です。
⑵ 余計な課税を防止
家族信託で最も問題になる税金は、贈与税です。
制度設計次第では、家族信託を行った年に、莫大な贈与税が課せられる可能性があります。
そのため、最初から税金の専門家の関与が不可欠です。
弁護士に家族信託を相談する流れ
1 まずはお電話やメールでお問い合わせください
弁護士に相談する場合は、まずお電話やメールで相談の予約をお取りいただくことになります。
ご連絡いただく際は、財産を預ける方と財産を管理する方のお名前や、どのような財産で家族信託を行う予定なのかといったことを、お伝えください。
2 相談時の流れ
⑴ まずは家族信託の目的を確認
家族信託は、とても自由な設計が可能な財産管理方法です。
どんな目的で、どのような財産を管理するのかによって、家族信託の契約書の内容が大きく変わってきます。
たとえば、施設入居費用を用意するための家族信託という類型があります。
名古屋に住居をお持ちの方が、名古屋の住居を子に預けて施設などに入居するときに、子が預かった住居を売却し、施設入居費用を用意するといった類型です。
このような目的で家族信託を行う場合、子が適切な時期に預かった住居を売却し、その代金で施設の費用や介護費を支出することができるように、契約書を作成する必要があります。
他にも様々な目的が考えられ、その目的に応じて契約書の内容を変更する必要があります。
そのため、家族信託を行う際は、まず目的をはっきりさせる必要があります。
⑵ 財産の内容を確認
不動産、現金、株式等、どの財産をどれくらい預けるのかは、契約書に明記しておく必要があります。
そのため、相談時には、どのような財産を預けるつもりなのかについて、ヒアリングをさせていただきます。
⑶ 財産の最終的な帰属先を確認
家族信託は、遺言書と類似した機能があり、預けた財産を最終的に取得する人を決めておくことができます。
そのため、家族信託で預けた財産を、最終的に誰が取得するのかを、あらかじめ決めておく必要があります。
その際には、預けていない財産については、遺言書によって、誰に遺産を渡すのかを決めておかないと、トラブルが起きやすくなります。
⑷ 最終的なご提案
上記のことをヒアリングさせていただき、どういった家族信託が適切なのかについて、見通しをお伝えいたします。
場合によっては、遺言書や任意後見制度などを併用した方が、より適切な解決ができる可能性もあるため、類似制度の併用なども含め、ご提案をさせていただきます。
家族信託を依頼する場合の専門家の選び方
1 各専門家が協力している事務所を選びましょう
近年注目を集めている、財産管理の方法として家族信託という制度があります。
ただ、家族信託は、遺言、遺留分などの相続分野の高度な知識がなければ、適切な財産管理を実現できない可能性があります。
そこで、相続分野に詳しい弁護士が、契約書作成に関わることが重要です。
また、家族信託は、贈与税や相続税とも関りが深いため、契約書作成の段階で、家族信託に関する税金に詳しい税理士が、契約書作成に関わることも大切です。
このように、複数の分野の専門家が協力して契約書を作成する必要があります。
そこで、家族信託を依頼する場合は、各専門家が協力して対応が可能な事務所に相談しましょう。
2 他の制度との組み合わせを提案できる事務所を選びましょう
家族信託は、遺言では実現できないことを実現できる有益な財産管理・財産の承継方法です。
例えば、受益者連続信託と呼ばれる方法であれば、ご自身がご存命な間はご自身に賃料収入が入り、亡くなった後は奥様に賃料収入が入り、奥様が亡くなった後は長男に賃料収入が入るようにするなど、遺言では実現できないことが実行できます。
このような有益な財産管理の方法ではありますが、目的次第では、他の制度も併用した方が、有益な場合があります。
たとえば、親が認知症になる前に、子が親の財産を預かるという場面を想定します。
家族信託を使えば、子が親の財産の管理をすることはできますが、親の介護や病院のお世話まではすることができません。
子が親のために、適切な介護施設を選び、入所手続きを行ったり、適切な治療ができる病院へ転院するなどの手続きをしたいと思っても、家族信託では、そういった権限を子に与えることはできないのです。
こういった、親の身の回りのお世話といった身上監護を柔軟に行いたいということであれば、任意後見制度を利用するか、家族信託制度との併用をすることが重要です。
また、他にも家族信託できない財産というものも存在します。
例えば、農地は農地法の制限がありますので、家族信託によって預けることができません。
このような場合は、ご生前に農地転用等の手続をとられるか、遺言による対策をとることが求められる場合もあります。
家族信託に強い専門家であれば、こういった親和性の高い制度との併用を検討し、よりよい結果へ役立つご提案が可能です。
3 家族信託専門のホームページがある事務所を選びましょう
家族信託が世間に周知されるようになったのは、ごくごく最近であるため、家族信託を扱っている法律の専門家は、それほど多くはありません。
しかし、力を入れている事務所は、家族信託専門のホームページを作成し、この制度の有用性などの情報発信をしていると思われます。
そのため、相談をするのであれば、家族信託専門のホームページがある事務所を選ぶことも検討してよいと思います。