円満な相続のための準備
1 円満相続のためには事前の準備が重要
自分が亡くなった際に、残された相続人が揉めることなく円満に相続するために最も重要なのは、亡くなる方がいかに自らの相続における準備をしていたかどうかということです。
残された家族が、自らの相続において揉めないためには、それぞれの家族の当時の状況や、亡くなった後に遺された家族の将来の生活状況などに合わせたきめ細かな工夫をしておく必要があります。
名古屋の方でも、この点についての意識が高まっており、将来の自分の相続の準備として、弁護士に相談に訪れる方が増えているように感じます。
2 事前の準備で必要なのは遺言書の作成
⑴ 遺言書がある場合とない場合
円満相続を実現するために、事前に準備をしておく上で必要なのは、遺言書の作成です。
仮に、遺言書を作成せずに亡くなってしまった場合、遺された相続人である家族は、遺産を分割するための話合いをしなければなりません。
話合いの過程で相続人同士の意見がまとまらないと、それまで仲が良かった家族でも、それをきっかけに争うようになってしまうケースが見られます。
あらかじめ遺言書を残しておけば、相続は遺言書に従ってなされることになり、また、遺言書には亡くなった方の意思が明確に反映されていることになるため、相続人の間での争いは生じにくくなります。
⑵ 遺言書を作成する際に重要なこと
遺言書を作成する場合には、それぞれの相続人が納得できる形で相続財産を分配しておくことが大事になります。
どの財産を誰に相続させるかを決めておくことも、もちろん必須なのですが、これに加え、予備的条項を記載することによって自分よりも先に相続人の方が亡くなってしまう場合に備えておくことも大切です。
また、どのようなつもりでそのような遺言の内容としたのかを遺言書の中に綴ったりすることも、相続を円満にするという観点からは、非常に重要です。
このような遺言書を作成したい場合には、知識や経験が豊富な弁護士などの専門家からアドバイスを受けるのがおすすめです。
3 事前の準備がなかった場合
上記のような十分に配慮が行き届いた遺言書を残さずに亡くなってしまった場合、相続で揉めるおそれがでてきます。
一般に、相続で弁護士に依頼するのは揉めてからだと思われがちですが、揉める前に弁護士に相談をしながら相続を進めることには大きなメリットがあります。
というのも、法律の知識が不十分であったり、法律についての誤解があったりした場合に、そのことが相続人同士の争いを生んでしまうことも多いように感じるからです。
相続について円満に解決したいと考えた場合、初期の段階から法律や遺産分割の方法についてのアドバイスを専門家から受けた方が無用な争いを避けられ、その分、スムーズに相続が進むケースがあるかと思います。
家族信託をお考えの方へ 弁護士に相続の相談に行く際にあった方がよい資料